the james taylor quartet/in the hand of the inevitable
Free Soul Meets Acid Jazzを聴いてて「これは!」と思い、CD屋に駆け込んだ1枚。Acid Jazzレーベルといえば、the brand new heaviesとか、MATHER EARTHとかしか知らなかったけど、こんな熱いグループを知らなかったのは不覚でした。だって、名前がスタンダードジャズっぽいし(^_^; 内容は、もう、なんでもあり。でもすごくカッコいい。根底に流れてるのはフュージョンっぽいんだけど、すごく黒っぽい曲もあれば、パープル?っていう曲もあり。このCD、何が「聴き」かって、そりゃリーダーのオルガンプレイでしょう。
Freak Power/DRIVE THRU BOOTY
Norman Cookのプロジェクトだけに、なぜかHOUSEの棚にあったりするが、全然生音です。ファンキーなリズム隊、エグいワウ、フェイザーのギター、ミョーな音を出すシンセ、シブいローズ、そしてハスキーでセクシーなボーカル。はっきりいってカッコイイ。「RUSH」とかは、ACID JAZZ系のコンピによく入ってますが、アルバムもかなりよいです。なのに誰も知らないんだよねえ。
sade/love deluxe
高校生の時、初めて買った洋楽CDがこれでした。ミュージックスクエアで流れているのを聞き、当時B'zとかXとかしか聞いてなかった私は、ものすごい衝撃を受け、「音楽って、こんな可能性もあったのか!」とCD屋に直行し、即買い。今、好きな音楽ジャンルを決定づけた、とも言える大切な一枚。日本の「わび、さび」にも通じるような、シンプル過ぎる楽器構成。sadeのセクシーなボーカル。初期の、ジャズっぽさがウリのsadeより、私はこの、ある意味悟りきったような、シンプルなアルバムが大好きです。"kiss of life"(バンド名ではない)は、私の心の名曲ベスト3くらいには入ります。要チェキッ!

独りの夜に。

jamiroquai/Emargency on Planet Earth
今となっては誰もが知ってる、お茶の間の人気者、jamiroquaiですが、デビュー当時は、通の間で「なんかすごいバンドがでたらしい」と言われる程度のものでした。Acid Jazz ムーブメントは、まさにこのバンドと、the Bland New Heaviesとかincognitoがしょって立ってたようなもんでしょう。「スティービーワンダーの声と、ジョンレノンの心を持つ男」と言われたJK、このファーストアルバムが、一番とがってて好きです。最近のアルバムより、やっぱjamiroquaiは1stでしょう。濃さが違います。まあ確かに、ヘッドハンターズっぽすぎるっていえばそうなんだけど。ヘッドハンターズ好きな俺としてはたまりましぇん。これも私の音楽性を決定づけた一枚。最近は売れてきちゃったからなあ。。。
Freak Power/More of everything for everybody
Freak Powerの(たぶん)二作目。ファーストのファンキーさはそのままに、テクノ 度が大幅アップされた曲と今までの路線継承の曲の2タイプに別れる実験的アルバ ム。メロディのポップさは相変わらず。ジャケのダサさも相変わらず(^^;。やっぱ りボーカルのハスキーボイスがたまらん。それにしても最近彼らはどうしているの だろう? かなり新作待ってるんですけど。。。
Mother Earth/The People Tree
まずレーベルがacid jazzであることから、けっこう黒っぽい音を期待したら大間違 い。ジャケを見ても、もう70年代Love&Peaceな感じなのだが、音はハードです。 もうまんまパープルやん、って感じ。パープル、ジミヘンとかそのへんの、ブラッ クとホワイトに別れるあたりの音楽が好きな人はシビレルでしょう。ハモンドオルガンかっ こよすぎ。
Galliano/The Plot Thickens
Takin'Loudの超大物、ガリアーノの1枚。あまりデキがよいとは言えないと評価さ れているが、このアルバムが個人的に一番好き。特に#2の、別々なフレーズが1つ づつ重なり合い、最後にはうねるようなグルーヴになっていくところとか、#3、4 の、いかにもイギリスのアーチストしか作れなさそうな重たく暗いグルーヴ、そし てフォーキーな#6、コーラスワークが美しい#12など、今聞いても全く古さを感じ させない1枚。解散してしまったのは非常に残念。
Maxwell/EMBRYA
ファーストアルバムでは、70年代フュージョンの要素も混じえ、ニュークラシッ クソウルの旗手として注目を集めたMAXWELL(名前は嫌い<理系ネタ)のセカンド。 ファーストはもうエッチ度炸裂!というくらい完全に「夜用」な感じでしたが、今 回は、前作の面影も残しつつ、新しい側面を見せています。特にSade のギタリストやエンジニアが参加したことが大きいようかも。Sadeのような音の浮遊 感、というか、ジャケの写真(水中)とも相まって、聞いていると深海を浮遊して いるような妙な落ちつきを感じます。

蒸し暑い夏の夜に。

RAW STYLUS/Pushing Against The Flow
このアルバムと関わりのあるミュージシャンをあげるだけで、だいたいどんな音を 出すバンドかわかるでしょう。ドナルド・フェイゲンを始めとするスティーリーダ ン関係のミュージシャン、グルーヴコレクティブやリパーカッションズ、ガリアー ノのメンバー、そしてポール・ウェラーや屋敷豪太、という壮々たるメンツ。ポッ プでファンキー、ブランニューヘビーズをもっとうまくしたような(笑)感じ。

春、新緑の中で。

the isley brothers/mission to please
言わずと知れたアイズリー。安かったので中古でゲット。 比較的最近のアルバムだが、過去のアイズリーにあったファンキートラック などはどこにもない。これがまたいー感じのスローチューン全集って感じで。 スローなバックトラックの上で、あのまったりとしてセクシーな ロナルド・アイズリーの声が踊る踊るまわる〜。もう完全にメロメロになっちゃい ます。ライナーノーツを見れば、あのエロ大王、Rケリーの名前が。この人の歌もモロにアイズリーの影響を受けてる所があったけど、今度は逆にアイズリーをプロデュースしちゃってるんですね。

ベスト・オブ・ベッドサイドミュージック。

NEW TONE/NEW TONE
97年に出たCD。新星堂などでは「B級ジャミロ」などとコメントされて いたが、「B級」なんかじゃないぞ。 最近のジャミロとかブランニューヘビーズ、ちょっと違うんじゃない?、 と思っている人、これを聴いてみてください。 これぞあなたの求めていたモノでしょ。 ファンキーでメロディアス。音的にはきれいめ70's。ボーカルはハスキー(男)。 でもけっこう涼しさも感じる。 万人受けするであろう1枚。それゆえに聞き込むとあきるんだけど。

紅葉を見ながらのドライブに。

ERYKAH BADU/LIVE
今年度一番注目の女性R&Bシンガーと言われているエリカバドゥー。 スタジオ盤は発売と同時に買って、「おお、こんなのもアリね」って感じ で、しばらく聞いてなかったけど、ある日ラジオから"On and On"のライブ版が。 これがまた、スタジオ版にはなかったコードワークがかっちょいい! しかも、突然シャッフルからストレートの16ビートに変わったり、 もう「好きにしてくれ〜」状態。 で、即買い。こりゃいいです。 スタジオ盤では、シャーデーにも似たシンプルなアレンジで、それはそれで味があ ったけど、ライブは曲のアレンジがかなり変わってる。チョッパーベースなんかも入っちゃったりして、けっこうノリもいい。導入の、マイルスデイビスの"So What?"のフレーズが聞こえただけでもうゾクっとします。必聴。

ブランデー片手に、薄暗い部屋で(笑)。

Adriana Evans/Adriana Evans
この手の70年代ソウルをベースにしているアーチストの中では以外にも、 けっこうフォーキーで、それでいてポップで、そんなに重くなりすぎず、 オシャレにまとめた音を聴かせてくれます。 このCD,パソコンに入れるとビデオクリップが見れるのもお買い得。

天気の良い休日、部屋の掃除でもしながら。

Incognito/POSITIVITY
インコグニートのアルバムの中で一番のお気に入りがこれ。 高校生の頃、輸入盤店を求めてはるばる東京まで行ってた頃、渋谷のWAVEでこのア ルバムを試聴して以来、「アシッドジャズ」という音楽の世界へ引き込まれていったような。。。
このアルバム、超名曲、"Still a friend of mine"をはじめ、JBか?と思わせるようなファンクや、ローズの響きがたまらんバラードまで、曲のカラーは様々ですが、 一貫してるのは、「オシャレさ」と「演奏能力の高さ」でしょう。 これ以前のアルバムはよりフュージョン色が強く、これ以後のアルバムは落ちつきすぎ、ってことで一番いい感じなのがこのアルバム。 まあ、この手の音楽を聞き始めたら絶対通るアーチストであることは間違いないと ころですが、やはりこれはその中でもイチオシの必聴盤。

照明を落した部屋でのくつろぎに。

Misty Oldland/SUPER NATURAL
UK Soulもん。このCD,友人のクルマの中でかかっていて、「誰これ!?」となり即CD屋へ走った1枚。70年代の感覚をいい感じに導入したけだるいグルーヴが聞いててすごく気持ちいいです。歌もちょっとだけ舌足らずなところがよい。ローズの澄んだ音色とドライでルーズなドラムがたまらん。#3が一番のお気に入り。ところでこの曲、コーラスの声がオマーっぽいんだけど。同じUKだしそれもありかな? UK女性ボーカルモノが好きな人なら絶対気に入るはず。

都会の夕暮れ時に。

Patti Rothberg/Between The 1 and The 9
アラニスモリセットが出てきてから、この手の女性シンガーってたくさんでてきたように思うけど、この人は個人的にとても好きです。ジャケはこわいけど、中身はフォーキーなのもあり、アメリカンロック!って曲もあり。でも全体的に、気分はアメリカーン。単純に「かっこいいじゃん!」と思えるのがよし。でその上にのっかる舌足らずなボーカル。サウンドは全然違うけど歌はミスティに通じるものがあるかな。

夏の夕方に。

V.A./SWEET MELODY PROJECT:01 CITY GOT SOUL -DANCE NOT DANCE-
HMVの隅っこの方の試聴コーナーにあったCD。夜の港の水面のジャケが オシャレで、ふと手にとって試聴すると。 「!」もう腰くだけ。レジへ直行。
最近この手の「TR909ベードラ4分打ち系」のハウスを聞いてなかった からかもしれないけど、かなり腰にきました。 でもこのコンピ、イケイケハウスではなくて、ちょっと暗め。歌モノは半分くらい だけど、メロディはメロウで、ちょっとスピリチュアルな感じがする。 ジャンル的には完全にディープハウス。 構成は、ローズの柔らかい音のコードワーク、セクシャルなボーカル、909系の シンプルなドラム、ファットな音のファンキーなベースライン、いかにもなア ナログリード。
Aquarian Dreamの"FANTASY"イントロのクラビなど、通好みなサンプル使いもあり。で、それが延々と続く。発展とか展開はなし。でもその反復が気持ちよい。
ピチカートファイブ"overdose"の「東京は夜の7時」の福富幸宏のミックスの感じ とかが好きな人だったら絶対はまると思う。 01ってことは、02も出るのだろうか。楽しみ。

夜のドライブに。

NUYORICAN SOUL/NUYORICAN SOUL
こちらプロデューサー集団、本家Masters at work。 友人のクルマで聴いて以来ずっと欲しいと思っていたが、中古が見つかりやっとゲ ット。 ジャズっぽい要素も取り入れたクールな曲もあれば、盛り上がり系の曲もあり、 知能指数がとても高いダンスミュージック。実はトーキンラウドとの関係もあった のね。 Jocelyn Brown,Roy ayers,George Bensonなどの参加ミュージシャンを見るだけでも 、 どんな曲が聴けるか楽しみになってくる。
いい意味でアメリカとイギリスの音楽性のおいしいとこどりをしてるCD。 各種リミックスアルバムも出ており、それらももちろん買い。

アーバン・ナイト(笑)に。

incognito/NO TIME LIKE THE FUTURE
ごめんなさい。incognitoって、解散したと思ってました。。。
で、そんな大御所の待望のニューアルバム。
もはやこの人たちの音楽、安心して聴くことができます。
相変わらずツボを押さえた、緻密なアレンジ。 そしてテクニックに裏打ちされた確実な演奏。
まさにブルーイの天才っぷり炸裂。
今回のアルバムで印象に残った点で一番大きいのは、俺の大好きなベーシス トの一人、ランディ・ホープ・テイラーの復活、でしょう。「打ち込み?」と間違う ような正確でかつエモーショナルな演奏は、いつ聴いても溜息モノです。 他にも、#1のニューヨリカンソウルっぽい導入も「おっ?」と思わせるところがあ るし、そしてシングルカットされた(と思う)#6は安心して聴ける「インコグっぽ い曲」だし。メイザ・リークとジョセリン・ブラウンの喉自慢も文句なし。
もはや何もいうことないですっていうか、上質すぎて、さらっと聴いてしまうと 何も残らないような、あっさり風味の音楽のような気がする。最近のインコグって。 よく聴きこむとものすごいことやってるのに。
natali lorio/noire
アラニス・モリセットのツアーの前座をやってた、ってことで、その手の音なのかな? と思い試聴してみると、#1はまあ、ギターの歪みなんかがそれっぽいところがあっ て、やはりそれ系か、と思ってそれ以降の曲を聴くと、全然違いますね。 エリカバドゥーほど「夜色」が濃くもないし、かといってエイドリアナ・エバンスみ たいに「昼」って感じでもない。
全編に渡って、ダイノマイローズ(もしくは生ピアノ)の優しい音とストリングスの 凝ったアレンジが展開し、その上にちょっとハスキーがかった声が乗ってて。。。い い感じ。 で、結構トラディショナルな雰囲気なのかと思いきや、ティンバ入った、というかド ラムンベース的なアプローチを見せてる曲もあるし。なかなか間口の広い人のようで。
フレンチR&B界、期待の新人だそうな。

"Night"より"Evening"に。

V.A./R&B LADIES
ここでこんなコンピレーションアルバムを紹介するつもりはなかったのだが。。。
あまりにも安易なネーミング、しかもセンスのないジャケなど、「こりゃ最近のR&Bブームに便乗した"NOW"の2番煎じだろ」と思って半分バカにして試聴してみると。。。
やられた。ここ最近のUKを始めとするヨーロッパのR&Bの女性シンガーの、12 インチでしか出てなかったようなマニアックな曲だらけ。
よく見りゃDOMEレーベルの最新アーティストのコンピじゃないですか。
DOME皿にはハズレなし、っていう格言もあるし、こりゃ聞いた瞬間ヤられるのもう なずける。
USモノのR&Bって、HipHopとつかずはなれず、っていうところがあって、ワン コードサンプルネタ一発勝負って感じが強くて、こわい系ラップも多く、どうも聞き疲れしてしまうところがある(個人的に、だけど)。
しかしUKものは、もちろんHipHopの影響は受けてるんだけど、USより古典を重んじてる気がする。具体的にはコードワークがしっかりしてて、美メロを愛する傾向が強い。また、USモノにくらべて、雰囲気が「暗い」。ここが一番好きなとこなんだけど。さらにSadeとかSoul 2 Soulみたいに、クールでおしゃれな曲が多い。安心してノれる、というか。
で、このコンピ、名前はあんまり知らない人が多いけど、上記のUKモノの定義にぴったり当てはまる。つまり、聞いててめちゃ気持ちいい。部屋の中でリピートで何回流してても飽きない、という感じがする。ま、押しがない、と言われるとそれまでなんだけど。。。

部屋で爆音でかければそこはもうクラブ。
jamiroquai/synkronized
フェラーリとアストンマーチンと地球を(!)愛するジェイケイ率いるジャミロクワイ、期待の4thアルバム。先行シングルのイメージから、「今度はディスコらしいぞ」という噂で持ちきりだったのだが、実際聴いてみると、曲調がどう、というより前にベースの音にふっとぶ。なんだこれは?っていうくらいのシンセベース音。それともエフェクトかけまくりなだけ?
ジャミロのベーシスト、確かにバカテクだったけど、こんなにエグいプレイしてたっけ?と思ったら、今回からベーシストが変わったそうで。
キーボードのトビースミスのローズとアナログも冴えまくってるし、お馴染みディジリドゥーも健在。で、何が変わったか、というと、今回はテンポが変わった。
ファーストアルバムの、ハンコックとかのジャズファンクっぽい曲調から、今回は、シックとかEW&Fみたいな正統派70'sディスコサウンドを取り入れた上で、現代のダンスミュージックとしても受け入れられるレベルに変わってきていると思う。すごく骨太。そして、今までに比べてアップテンポの曲が多くなってる。全体的に「イケイケ」モードというべきか。
このノリとベースの音から来る、なんかイカサマっぽいスペイシーな感覚、どっかで聞いたことあるな、と思ってたら、そうだ、FREAK POWERだ。やっと時代が彼らに追い付いたというべきか。今頃何やってんでしょう彼らは。。。
Samuel Purdey/musically adriff
スティーリーダンのミュージシャンらが集まり、さらにブランニューヘヴィーズからJanとAndrew、さらに最近jamiroquaiを脱退した変態ベーシスト、Stuart Zender!あんた、こんなとこにいたの。。。
実はこのグループの人たち、ジャミロのツアーのバックとかもやってたりするらしい。
で、そんな人達が参加するアルバム、けっこうおしゃれ系。スティーリーダンといったら70年代AOR(あんまり聞いたことないけど)。っていうわけで、確かに70年代のAOR、Fusion臭さがバリバリ。それがまた今聞くと新鮮っていうのはあるな。
基本的に薄味な、いやみのない、けどオシャレなサウンド。
夏に、海に行く時なんかにかけたらハマるんじゃないだろうか。
V.A./Sweet Melody Project 02 Happy Feelin'
1作目が大当たりだったディープハウスの国内コンピ,Sweet Melody Projectの第2弾. 今回は前作のオシャレなジャケとは打って変わり,シルバー地にめっちゃポップな イラスト.しかし内容は,前作同様,かなりイタナいハウスとなってます. このジャケにつられて「明るいイケイケ風のハウス」を想像して買った人はかなり だまされた!と思うはず.実際「暗くて淡々」. ローズ,フルートなんかが織りなす,かなり水準の高い,ダークな失禁モノハウスの 世界が楽しめる1枚.
MASH/TOUCHED
国内ではMISIAなどのプロデュースなどを手掛ける鷺巣詩郎(実はThe-SQUARE出身だったというのは最近知った事実)と、相棒マーティンラッセルズのユニット,MASHの2作目.このアルバムがでるまでには,MASHファミリーであるROLENの「THANATOS」がエヴァの劇場版主題歌になってチャートを席巻したりして世間を騒がせてきたわけで.その流れをたぶんに汲んだ新作となっています. 基本的にノリだけではなく,しかし頭でっかちでもない,微妙なバランスの上に成り 立つ極上のUK SOULアルバム.とある評論筋では,#12でのアシッドジャズ的なアプロー チを,今までなかったものとしてるけど,エヴァ缶聞けば,まさにその路線の曲,あったと思う.確かにノエル・マッコイがフィーチャーされてるのは驚いたけど.
Chanty Savage/this time
1枚目でハウス,2枚目でR&Bを歌いこなしてきたシャンティ,期待の3作目はど うくるか?と思っていたら,プロデューサーからスティーブ”シルク”ハーレイが抜 けて,今度は王道で攻めて来ましたね.最近のビート重視のR&Bというよりむしろ (さすがに流行のティンバ系ビーツを取り入れてる曲もあるが),R・ケリーとかK・ スウェット(実際プロデュースしてるし)系のエロな古典的極上バラッドてんこ盛り. 濡れます.でもなんで2作目の"Pillow Talk"がこのアルバムにも入ってるんだろう...
GENAI/Heaven On Earth
妙に夏っぽい1枚. 爽やかすぎてむかつく,という次元を通り越し,もはや敬服の域. TOTOの"Africa",Carol Kingの"It's too late",はたまたマイコー(Micheal Jackson)の"Human Nature"など,名曲のカバーが主なのだが,それがまたいい感じに 爽やかにアレンジが加えられている. あと1歩間違えると,スーパーで流れてるただのダサフュージョンになりかねないし, はたまた面白味のないAORもどきになってしまうところを,ギリギリのところでおい しい,かつシンプルなアレンジを施していて,そこらへんが妙に賢いのである. なんと言おうと,夏のリゾートにハマリまくる1枚. ハワイの海辺とか,めっちゃハマるんだろうな.行ったことないけどね.
MAYSA LEAK/ALL MY LIFE
インコグニートが誇る歌姫,メイザのセカンドソロアルバム. ブルーイの個人レーベルからのアルバムであり,ブルーイがプロデュースしてること もあって,ちょっと聞いたくらいではインコグにしか聞こえません. ミュージシャンもランディ・ホープ・テイラーとかだし. アルバムのイントロが声楽的アプローチの曲でけっこう寒いんだけど,それもつかの 間,いつものインコグ節が聞こえてきて一安心. なんか"Tribes,Vibes and Scribes"の頃のインコグサウンドのようなイメージの曲が 多くを占めているが,たまに「ソロ作」っぽい,つまりインコグっぽくない曲がちら ほら,と. 結局インコグニート(=ブルーイ)の世界を抜け出せてないような感じがするけど, でもインコグファンなら間違いなく買い,の1枚.さてここまで,「インコグ」って 単語を何回使ったでしょう? つまりそういうこと.レベルはめちゃめちゃ高いけど.
RAHSAAN PATTERSON/LOVE IN THE STEREO
オシャレ系R&Bといえばこの人(らしい),ラサーンの2nd. ちょっと前のニュークラシックソウル,例えばエリック・ベネイとかマクスウェル の1stあたりを彷彿とさせる音作り.ファンク度かなり高し.
ちょっと違うのは打ち込みのリズムが多いことと,シンセの音を多用してるってこと か.そこらへんとナヨッとした声の組合せは,なんかプリンスっぽいかも. しかしナマ音ローズやクラビ,ストリングスなんかは絶妙な70年代っぷり. ちょっと雰囲気が違うな(ハウス系R&B?),と思った#11,クレジットを見たら この曲だけ、プロデュースがスティーブ”シルク”ハーリーじゃん.
それにしてもこの人の声,まさにスティービーワンダーなわけで. 節回しによっては,「これ似すぎだって」って思う場所もチラホラ. しかしやはりいい曲なので許せるわけですな. 先行の#3なんかはドライブの友に最高かも.
V.A/CAPITOL RARE Vol.3
おなじみブルーノートレーベルのキワモノコンピ第3弾. っていうか,恥ずかしながらVol.3で初めてこのコンピの存在を知りました.
この手のジャンルのコンピってけっこう多いのだが,これまた選曲おいしすぎ. いきなり1曲目からエロエロな"Always There"っすか. 最近サイドエフェクトのバージョンを聞き慣れていた(インコグバージョンはもはや お約束)からか,かなり新鮮.
その他,ちょいイタナ系のジャズファンクがあったと思うとMAZEなんかがいたり, Dorisなんていうモロフリーソウルネタも炸裂. しかしこれがなぜか統一感が取れていて,ノリノリの(死語)1枚になっているわけ です.これは1と2も聞かねば.
つーことで必聴.
Bob James/joy ride
久しぶりに行ったジャズコーナーで流れているのを聞いた瞬間,最近押さえて いたミディアムテンポなフュージョン好きの血が騒ぎ,即購入.
はっきしいってこのジャンルに関しては語るべきウンチク持ってないんですが, このアルバム,「気持ちいい」「エロ」この二言に尽きます.
なんせ最強の(偏見)フュージョンバンド、FourPlayのキーボーディストだしね.
全編を通して響くクールなピアノ,エレピのサウンド(って,ピアニストのアルバム だから当然なのだけれど)だけでもう昇天. なんかきれいだけど軽くて,たれ流して聞くのに最適な音楽ってう意味では, このアルバムはウインダムヒル系の音になるのかな,俺の中では...
細かく聞くと実はすごいことやってるんだけどね. でもやっぱ、難しい話は置いといて、心地よいというだけで買い.
Work Shy/clear
UK産「オシャレ系」サウンドとしてはずせないWork Shy.ラジオから聞こえてきた瞬 間にカラダが反応>即購入.スウィングアウトシスター,クレモンティーヌなんかと 同じように,たれ流すのに最高なオシャレ系ミュージックを聞かせてくれる.なんせ ライナーノーツに女性ファッション誌「MISS」の広告が挟まってるし.これで狙って る顧客層見え見えでしょ.ただ,いつもと違うのが,Incognitoのリチャード・ブルがプロデュースしている楽曲があること.これによって,単なる素敵なアーバンポップではない,ちょっとキナ臭めな,今時のUK風味が加わっていてなかなかよし.しかも日本盤だけのボーナストラックとして,あのルパンのサントラから「Love Squall」なんか選曲しちゃったりしてるわけで.憎いぜ全く.これでこのCD買う人も多いんだろうな.顧客層のセンスを完全に読んでます.
Hil St.Soul/Soul Organic
DOMEレーベルのコンピであるR&B LADIESに先行シングルが入っていて,けっこう気になっていたので,アルバム発売と共にゲット.全体的にソフトで聞き疲れない,しかし芯のあるビートを聞かせてくれる.心地よいコードとビートだけで成り立っているような「雰囲気」な曲が多い.メロがあまり印象に残らない分,いつどこで流してもその場に溶け込めるという感じか.BGMに最適.タイトル通り、「オーガニック」な感じ>イメージ的には無農薬野菜?このユニットのボーカルであるヒラリー,実はあのメイザ・リークのソロアルバムにも曲提供,さらにバックボーカルもつとめているらしい.今後期待大でしょう.
V.A./Bossa Tres...Jazz
フランスのYellowから登場した,日本との合作コンピ.タイトルからしてボサとジャズなんだろうな,という単純な予想を裏切らず,その上でしっかりと裏切ってくれる作品. 最新のダンスミュージックの中で今一番俺的にキているジャンル,クロスオーヴァー,フューチャージャズ,ディープハウス,このあたりが好きな人だったらまさに失禁でしょう.全曲に渡って繰り広げられる,深くスピリチュアルな雰囲気に打ちのめされるべし.これからのダンスミュージックシーンへの挑戦状とでも言えよう.というか,日本人もこれだけクオリティの高いダンスミュージックが作れるのかと感心. Remixアルバムも出たが,Atjazzがリミックスしてたりしてよりリズミカル.つまり より踊れる仕様でなおよし.両方マストです.
Santessa/Delirium
こういうジャンルをTripHopというそうな.UKらしいチルかつメロディアスな雰囲気が気に入って即買い.シングル曲#3はあのHil St.Soulがリミックスしてるらしい.雰囲気的には,SadeMisty Oldlandにレゲエ&ダブの要素を足したような感じかな.ささやき系のボーカルもさることながら,どこまでもローでヒップなトラックとの組み合わせで,独特の浮遊感を醸し出してます.暑い夏の夜に涼むのに最適な1枚.今年の夏はこれでしょう.
V.A./sweet melody project:03 deep swing
ニューヨークで生まれたガラージュスタイルと呼応する形でシカゴで独自の発展を遂げてきたディープハウス.12と続き,このディープ好きを唸らせる良質コンピ第3弾の登場.ここらへんお約束のBlue6,Mateo&Matos(今回はセルメンの名曲The Real Thingをハウスカバー)あたりから始まり,Bossa tres... jazzで大ブレイク,美メロ炸裂なTom&Joyceの"Vai Minha Tristeza"のハウスリミックスなんかもあり,とことんディープなトラックからスカッと踊れるトラックまで盛りだくさん.あいかわらず渋いとこついてます.次作にも期待大.
V.A./21st Century Musical Guidance
ディープハウスモノのCDってジャケ買いすることが多いんだけど,今回もまたしかり. シカゴの重鎮,Guidanceレーベルのコンピなのです.ケヴィン・ヨスト,アクサスあたりのお約束ディープハウスてんこもりもり.入門用にうってつけなのではないかと. sweet melody projectsが気に入った人だったら間違いなく買いでしょう.夜しか聞 けないようなアルバム.
Dimitri from Paris/A Night at the Playboy Mansion
またもやYellowモノ.Dimitriがミックスしてるものなので,ディープなヤツか,と思いきやなんと!これはもうなんというか完全にキレている90年代前半仕様ハウス ,もといディスコ.最近のトレンドはやっぱディスコなのだろうか? これだけダンスミュージックが氾濫し,ブレイクビーツを切り張りしたような新しいトレンドが多数生まれていてもなお,この手のグルーヴが単純に気持ちいいと思えるということは,やはりディスコミュージック,クラブにはなくてはならないものなのでしょう. で,このCD,まさに最初から最後までガシガシ踊りまくれる超アッパーチューン満載. SHD3000に匹敵するノリっぷり.詳しい曲紹介は敢えてしません.とにかく聞け!踊れ!#4から本気モード.#6〜#7のつなぎで失禁!#10の変拍子っぽいのでのけぞり,最後にはカーティス・メイフィールドの名曲"You're You're"ネタの#13で涙。あ〜スッキリ.
Mark de Clive-lowe/six degrees
全く無名の人だと思うんだけど、先行12inchの完成度の高さに、知る人の間ではジワジワとキてたです。ついに出ましたフルアルバム。ジャケは冴えないけど、一通り聞いてみると昇天。ブケムを連想させるようなドラムンベースっぽいハードなリズムの曲もあれば、ブラジリアンフュージョンやラテンハウス、ヒップホップ調な曲もあり。歌モノもあればトラックモノもありと、バリエーションが豊富で飽きることはないが、全編を通して流れるのはローズのソフトな音色とラテンパーカッション。まずこれだけでディープな世界へ連れ去られてしまいます。一連のジャズハウス系の音より、感覚的にだいぶジャズに近いと思う。まさにフューチャージャズと呼ぶのにふさわしい逸品。かつ聴きやすいし。かーなりオススメ。