Music Instruments

物心ついたころからクラシックピアノを弾いていた俺にとって、高校で初めて接した「打ち込み」のインパクトは強烈だった(初体験はYAMAHA QY10)。自分でプログラミングをしてしまえば、いつでもどこでも何度でも自分の演奏が再生できてしまうことへの純粋な驚き、自分が各パートを演奏して録音し、それが同時に再生された時の感動。

ということで、大学に入ると同時にオールインワンシンセを購入。さらにマックを購入したことによって打ち込み熱はさらにパワーアップ。

とはいえ、生で演奏する楽器のよさというものももちろん捨てがたいわけで、ジャズをやる上で生楽器としてポテンシャルの高い物に対する要求もありつつ(最近はもっぱらこっちだな)。

そんな感じで現在の楽器ラインナップ。

 
Simulated Vintage Keyboards

Clavia NordElectro73

スウェーデン製、オルガン(モデリング)とローズピアノ、クラビ、ウーリ、アコピ (これらはサンプリング)の音に絞って作られた、完全70'sマニア向けキーボード。
XPを使ってても、最近はほとんど上記の音しか使ってない(Vintage Keyのエキパンしか使ってない)ので、 これらの音が強力な楽器を探していて見つけました。
ピンポイントでニッチなニーズに応えてるだけあってデキはかなりウホウホ。
今までRoland XP80+ローズのエキパンで出してたエレピの音とは比べ物にならない「楽器」な音。
なにより、Claviaの楽器の特徴として、エフェクトやらEQやらのツマミが全部オモテに出てるってのがおいしい。
気になったらすぐツマミをまわしておいしい所で鳴らせるし。
普通のシンセだと、狭いディスプレイでメニューの階層構造を探って… ってやってるうちに、自分が出したい音がどんなだったのか忘れちゃうんだよね。
しかもこの、タッチに合わせて機敏に変化する音色の表現力といったら…(涎)。
ただ、弾く人の技量を反映する、というか、強弱のニュアンスを きっちりつけて弾かないと全然鳴らせない>ヘボイ音しか出ない。
はるか昔、アコピを弾いてたころの難しさを思い出しました。
大学に入った頃から、いわゆる「シンセ」しか弾いてなかった俺の指には、完全にもてあまし気味。
がんがって弾きこなせるようにならないとね。

最近の楽器らしく、ClaviaのサイトからDLした音色をUSB経由でインストールできるのがよい。
アコピはSG-Rackがあるので即効消してRhodesに差し換え。4種類の基本サンプルと柔軟なエフェクトの組み合わせで、どんなシチュエーションでも狙った音が出せて(゚д゚)ウマー
ウーリに関しても、トレモロ深めにかけてちょっと歪ませたら気分はダニーハザウェイだし。クラビにしても、OSをVer2にしてからピックアップのセッティングがかなり細かくできるようになったので、これまた狙った音がすぐ出せるよになった。ワウのかかりも最高で、ずーっと独りで弾いてても飽きない。

この楽器、一生モノになりそうな予感。

Synthesizer

Roland XP80 with Exp.Board

実は最初に買ったのは,XP50.初めて発音数が64音というスペックを身近なものにしてくれたオールインワンシンセの名機.とはいえあの小さいLCDディスプレイでは最低限の情報しか表示されず,買った当初は内蔵シーケンサのインターフェイスとの戦いだった...音作りもかなり気合いを入れないと苦しいし,鍵盤タッチが軽すぎて弾きづらい.しかし音はローランドらしいすっきり爽やかな音色.エクスパンジョンボードを入れて,音質面 ではかなり実戦的なシンセになりました.ということで,エクスパンジョンボード資産を生かすためXP80へと買い換え.鍵盤はしっかりしてるし,76鍵あるからピアノ的なアプローチもしやすい.しかもディスプレイLCDの情報量 はXP50とは桁違い.エクスパンジョンボードを追加すること(ちと高いけど)で常に最新の音源として使用できるのが最大の利点.

Exp.Board

"DANCE","Keyboards of 60's&70's","HipHop"

XPをXPたらしめているのが,このエクスパンジョンボードの存在.ボード毎のインプレは下に.

Synth Module

Roland XV5050

現在(2003/5)、XP80を売りに出すつもりでいて、その代わりとして格調性があるシンセ音源が欲しくてオークションで衝動的に買ってしまった1台。えーと、音はXPと変わりません。ただプリセットがバカみたいに増えてるね。まだ全然使ってないのでインプレ不可。ビンテージ系シンセの音が欲しかったので、"Ultimate Keys"というエキパンを入れました。Roland系の音も飽きたので、motif-rackにすればよかったかな。誰か欲しい?

Piano Module

KORG SG-Rack

音の太さ、バンドの中の音抜けのよさでは定評のあるKORGの定番デジピ,SGのラック版.XPのデフォルトのピアノの音に比べても,ふくよかな音色,豊かな響き.メモリ贅沢に使ってるって感じがたまりません.アタックが抜けるポップス向けの音からソロ向けの太い音,バラッド系の甘い音,クラシックを弾くのにベストな柔らかい音.はっきりいってエディットの必要性を感じません.っていうかほとんどエディットできないんだけど.
アコピ以外の音色も充実してて, ローズ系も数は少ないものの,基本的なバリエーションはおさえてるし,クラビもまあ実用性の高い芯のある音.まあ,このへんのバリエーションに関してはXP用のエクスパンジョンの"60's&70's"が圧倒的に強いが.KORGのくせになぜか,FMエレピの音のバリエーションがめちゃ多いし.オルガンの音も,CX-3系とかかなり実用性高し.

Sequence Soft

EMAGIC Micro LOGIC AV

Logicの機能限定版とはいえ,必要にして十分.あのXPの内蔵シーケンサのインタフェイスに比べれば格段の使いやすさ(当たり前).音色管理は全部シンセ側でやってるので,ホントにシーケンサとしてだけしか使ってません.せっかくのオーディオ機能も宝の持ち腐れ.最近はProToolsのフリー版も出たことだし,本格的なHDレコーディング環境を模索中.

次は,かつて使っていたがもう手元にないもの.

Synthesizer

YAMAHA V50

センター試験終了後に友人より破格で購入した,YAMAHAオールインワンシンセの元祖モデル.その結果 2次試験がどうなったかは言うまでもないでしょう.音源はFM音源搭載ということで,FMらしいきらびやかな音,アタックの強いベキベキした音を出すのを得意としました.特に,俗に言う「DXエレピ」の音は絶品.大学に入ってからもしばらくは現役で活躍していたが,持ち前の重さとFMならではの音作りの困難さに加え,XP50の導入が追い打ちをかけ,茶摘み宅へとドナドナ.

MIDI Controller

YAMAHA KX5

一時期,泣く子も黙るほどの勢力を誇ったK室に影響されたわけではないです(確かにTMNは大好きだったけど).QYをメインに使っていた時代,どうにもリアルタイム打ち込み用のMIDIキーボードが欲しくなり,友人がライブでギンギンに使い込んでいたKXのお古(鍵盤が1個なかった)を格安で譲ってもらったもの.面 白いのは,ピッチベンダーがリボン式であること.これでショルキーでライトハンド!という変態ワザでギタリストに対抗!したことはありませんが.本格的に打ち込みを始めてからは全くのお役御免状態となり,しばらく部屋のインテリアに.その後一度だけ電磁グルーヴのライブで使用されたのを最後に封印されました.しかし捨てる神あれば拾う神あり.ジャマスカのA川さんがマック&音源購入のため,彼の打ち込み用MIDIキーボードとして余生を送っているようです.

Sampler

AKAI Remix88 (S20)

サンプラーの勇,アカイが出した,ブレイクビーツループを得意とする廉価版サンプラー.しかしMIDI音源としても使え,さらにサンプルがフロッピーに保存できるという売りが他社の同価格帯のモデルと決定的に違う点.しかもサンプルは他のSシリーズと上位 互換,と言う鳴り物入りのデビューであったため即買い.購入当日にメモリもフル増設し,バリバリに活躍するはずでした...しかし,電源を入れる度にサンプルをロードしなくてはいけないという使い勝手と,ちょっと長いサンプルを録るとフロッピー数枚に渡ってバックアップしなければならないという点が面 倒になりライブ用の一発ネタ再生機へ. さらに,サンプルのテンポを変えずにピッチを変える,またはピッチを変えずにテンポを変えるという機能がなかったのが致命的.というわけで味曾Hのりょうくんに爆安価格でドナドナ. やっぱもうちょっと金貯めてS2000買えばよかったと今さら後悔.

Sound Module

KORG 05R/W

(確か)KORGのX5と同等の音源部を持った,ハーフラックサイズの音源モジュール.音はなかなかよかった(記憶).サークルの先輩から格安で買ったのはいいが,DTM用として作られた音源の宿命でもある,本体パネルとボタンの小ささがいやになり,ほとんど使われなくなっていたところを,サークル後輩M木のDTM開始のため同じ値段で譲ることに.あんまり使ってなかったから印象ないなぁ.

E.Bass

Fender(っぽい) プレベ

某質屋で1万円で売っていたのを衝動買い.自宅でCDに合わせてベースを弾くためだけに使用されてました.音はブリブリ.ネックが反ってるからビビるし(笑).しかもヘッドに書いてあったらしいメーカー名が削られ,きれいにニスが塗ってあるのでメーカー不詳.Fenderってことにしておきましょう(笑).ふりあらのライブでM木が変則チューニング曲のためだけに使ったのが最初で最後のステージデビュー.以後部屋のインテリアになっていたが,金欠のためチョムのMちゃんへドナドナ.

Sequencer

YAMAHA QY10

俺の打ち込み歴の記念碑である1台目.打ち込みの全てはこの1台で学びました.よくもこの鍵盤でアドリブを弾いてリアルタイム録音したもんだ...俺の特技の一つ,「指ドラム」もこれで鍛えました.必要最低限の音源部と,パターン用4トラックを含めた8トラックの音源一体型シーケンサとして,使い勝手は最高.QYシリーズは肥大化の一歩をたどり,今じゃバカでかいのになってるけど,やっぱ初代のシンプルイズベスト精神は今でも光ってます.

Digital Piano

Panasonic(Technics) P10

予算の関係上,欲しかったYAMAHAのP200からかなりランクを下げて購入したデジピ.しかも76鍵.鍵盤は重いが,プラ丸出しの質感とパコパコした感触がイマイチ.ベロシティのセンサもバカで,タッチによる微妙なニュアンスは全く伝わらない.デフォルトの音も荒く,音的には全く使えない.それでもこれが生き残ってたのは,KORGのSG-Rackのおかげ.パナのままライブに出すのは恥ずかしいので,ロゴだけ「ニセAlesis」になってます.部屋のスペースの関係で、今は実家でオカンが弾いてます。

Organ

Hammond XB-1

憧れのオルガン.最近のシンセでシミュレートしたオルガンもそこそこいい音はするんだけど,やっぱ本物じゃないとねぇ.ロータリーのon/offのニュアンスとか音の重なり具合とかが伝わらないし,ドローバーセッティングのリアルタイム性もホンモノならでは.RolandのVKは比較的大人しい音なのに対して,こちらは見た目は安っぽいものの,ディストーションのかかりもなかなかワイルドで,ロータリーシミュレーターのかかりもエグい.というわけでこちらを購入.ものすごく気に入っていたが、NordElectro導入と部屋のスペースの関係上、泣く泣くN谷(弟)へドナドナ。



  XPシリーズExpansion Board 使用インプレッション


俺がバンドで使っている音というのはもうだいたいパターンが決まっていて,
・ピアノ
・ローズ
・クラビ
・オルガン
・アナログシンセのリード
ってな感じ.その中でも,やっぱ常用してるのはローズとオルガン.
ローズって,すごく弾いてて気持ちいい.XPシリーズ用のエキスパンジョンボードの"Keyboards of 60's&70's"の中には,すごく気持ちいいSuitCaseモデルの音とか(トレモロがたまらん),ダイノマイローズの音(ベロシティによってトーンが変わるのが気持ちいい)とかが入っていて,常用してます.
あと,オルガンの波形も,かなり使える音が入っているので,はっきり言ってこのボードは買い.っていうかXP持ってる人でこの手の音楽やるんだったら,なきゃダメでしょ.
クラビの音もコロコロした音から,骨太のゴリゴリな音までけっこう豊富.エクスプレッションペダルでワウをシュミレートしてやるとかなり気持ちいいです.ただワウかけると音は痛い.PA泣かせかな...でも,少なくともシンセの出力をそのままクライベイビーにぶちこんで鳴らした時よりも音はよかった.
メロトロンも豊富に入ってるし(しかもアフタータッチでテープの回転数が変わる!)),このボードは買いです.

次, "Hip Hop"
打ち込みでデモを作るにあたって,「今風のドラムセット,声ネタ,ミョンミョンしたシンセの音」が欲しい,って思ってたんだけど,試聴してみたらモロそれ系だったので衝動買い.
今回のドラムセットはすごい.まさに今のHipHop,Soul,R&B系の音ばっか,もりだくさん.ただ,組んであるパッチが,単なるパターンだけじゃなくて,ベースとかの音も入っててループになってるのは,はっきりいってウザい.こっちはサンプラーの代わりに,ビートだけをほしいのであって,そんな汎用性のないボイスを入れないでほしい.ま,自分でパッチ組めばいいんだけどね.
さらに黒人男性の「ワン,トゥー,スリー,」とか「チェキラー!」「カモーン!」ってなおバカなノリノリボイスも入ってるのはけっこう笑える.しかも使える.
シンセリード系の音も,けっこう使えるのが入ってます.まさにレゾナンス「ミョンミョン」.ソロに使えるほど音が太いのもあるし,歌のバックでオブリを弾くような正弦波な音色もあるし.
あと,ウケたのが,ワウギターのFX.「チャウオカワカチャカ」っていうワウギター特有のカッティング,打ち込みだとほぼ再現は不可能で,サンプラーを導入したりして,デモ作りには苦労してたんだけど,このパッチ,「チャウ」「オカ」「ワカ」「チャカ」が全部別 の鍵盤に割り当てられてるんで,指でワウギターカッティングができるんですねえ.これはアイデアの勝利.ただコードカッティングの場合,キーを変えるとテンポも変わっちゃうんで,これと曲テンポの同期ができればいうことなしなんだけど.

"DANCE"は,XP50を買った時に同時に買ったんだけど,今となってはちょっと古い,トランスとかハードコアテクノ系のバリバリしたシンセの音が多いです.ただインパクトを求める時の一発物としての利用価値はあるかな.ドラムセットにTR909系の優秀なサンプルがあるのも今となっては買い.なによりこのボード,現在生産中止になってる所に希少価値があってよし.

それにしてもこのエクスパンジョンボードシリーズ,滞りなく次々と新製品が出てくるのがうれしいところ.このボードで常に自分の音源を最新の音源にできるっていう意味で,これだけでもXPシリーズ(JVシリーズ,XVシリーズ)を買う意味がありますね.