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先ほど帰仙しました. 2000/06/12

Posted by むき in : 未分類 , trackback

実家に帰った俺を待ち受けていたのは,「ピアノ嫁入り話」.
早い話,今までピアノを使っていた姉と俺がもう当分実家に帰ることはないようだ,という理由から,
狭い部屋の有効利用のために(退職後の父の居場所作りのためにも)ピアノを嫁に出そう,ということ.
幸い,調律士のツテで買い取ってくれる方が見つかり,来週末にも運ばれていくらしい.
確かに,弾く人がいないならば,いくらグランドピアノとはいえただのハコ.
せめて俺にできるのは,残された時間を弾くのに費やすことだけ.

思えばこのピアノ,俺が小学校に入ったころ,姉が本格的に上を目指す,ということで,
それまで使っていたアップライトピアノのリプレイスとしてウチにやってきた.
当時は,いやいやながら練習するピアノは俺にとって敵でしかなかった.
皮肉なことに,ピアノを弾くことが「気持ちいい」と思えるようになったのは,レッスンに通う
のをやめた高校生になってから.
ピアノを好きになっていく気持ちと相反してピアノに向かう時間はなくなり,大学に入ると,
たまに実家に帰った時くらいしか弾かなくなってしまった.まぁ仙台でデジピを買ったのもあるけど.
でもやっぱり,今の俺の基本となってるのは,あのいやいやながらやらされていた時代のピアノ体験.

...そんなことを考えてると,やたら情が沸いてくるんだよね.
淡々と鍵盤をなぞりながら,このピアノと過ごした日々を思い出す(いやマジで).
そりゃあこれだけつきあってくれば,辛いこと,甘酸っぱいこと,いろいろエピソードがあるわけで.
それらを思い出してると,その時の空気の温度,匂いとかの記憶まで溢れてくる.
ピアノを,そして音楽というものを好きにさせてくれたピアノ.それは生涯この1台だけ.
姉と俺を音楽に向かわせたように,次の主人にも,音楽の楽しさを教えてやってくれよ.
そう思いながら最後のフレーズを弾き終え,黒いピアノの蓋を閉じた.
この蓋を俺が開けることは,もうない.
と思ったら急に淋しくなった.
もう一度開け,毛布(紅いフェルトね)をめくり,鍵盤をしばらく眺め,また閉じた.
ありがとう.

ちなみにこのピアノ,もちろんタダで嫁に行くわけではないのです(いきなり現実的).
その代価は,最後に弾いた俺の手に委ねられることになってんだな.
ってことは...何買おっかな〜(すっかり前向き).
やっぱジャマスカ用ウェポン,ハモンドオルガンついに自前で購入っすかねぇ.
それとも,へちょいデジピのグレードアップ資金とするか.
お前の死(死んでないって)は無駄にはしないぜ.

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